patakoのタロット勉強ブログ

タロットを学びながらあれこれ考えたこと

【9隠者】~外側に答えはない~

こんにちは。patakoです。

今回からは、ランダムでカードのご紹介をしていきたいと思います。


本日のカードは

9番【THE HERMIT.】隠者

このカードを一言で表すなら
『問いを持ち、内側に答えを探す』


では【隠者】の世界観を3つのキーワードに沿って見ていきましょう。

 

①マント

マントとは、身体を覆い、身を隠すもの。

彼は何から隠れているのでしょうか?

それは「世間」です。

「大勢が正しいと思う見方・考え方」「みんなと一緒」「常識・当たり前」

タロットでいえば【5番:教皇】から背を向けているんですね。

 

そしてその「当たり前」は、外側だけではなく、自分の内にもあります。

例えば、「結婚はするもの」「恋愛対象は異性」「家族は仲がいい」など、

気づいたら自分の中で当たり前になっていることってありますよね。

しかしそれは、本当に私が考えたことでしょうか?

世間で言われていることをそのまま鵜呑みにしていたりしませんか?

隠者の世界では、そんな外や内にある盲目的な常識に

「ほんとにそうか?」

「私にとってはどうだろう?」

と問いをなげかけ、1人考えます。

マントで身を隠し、世間から遠く離れて。

 

②ランプ

「常識」では答えられない問いには、ランプが必要です。

なぜなら、答えは自分の内側にしかありませんが、

そこは暗くてよく見えない場所だからです。

 

自分のことはわかっているつもりでも、もう一段奥にある感情や欲望には気づかないふりをしているものです。

そこにあるものを認識し、受け入れるためには

「自分の弱さや欠乏を受け止める強さ」が必要になりますが

実はこれ、【8番:STRENGTH(力)】のテーマでもあります。

8番ができてはじめて、この9番隠者で「問い」を持ち、「私にとっての正解」を考えることができるのです。

自分の中に、目を背けていたりつっこまれたくない部分があると、隠者のように内観することはできませんからね。

 

少し話が逸れますが、

タロットの心理学的な解釈では、

22枚の大アルカナを3つの段階に分けて考えます。

 

①1番〜7番:外(社会)へ向かう

→社会に適応し認められるため、自己をコントロールし、「理想」を追い求める。

しかしここでの「理想」は社会の理想

 

②8番〜14番:内(内面)と向き合う

→①では「なかったこと」にしていた、自分の弱さ・欠落に目を向ける。

①で身につけたコントロールや「理想」が、自分を縛るものへと変わり、今までのようにはうまくいかなくなったとき、(半ば強制的に)この②フェーズへ。

 

③15番〜21番:外と内の統合

→コントロールやこだわりを手放した「本来の私」になり、改めて「社会との関わり方」を見つけていく段階。

「社会の理想」ではない、オリジナルな「新しい価値」が生まれる。

 

この考え方は、別名「愚者の旅(Fool's Journey)」とも言われています。

「愚者が各カードの世界を旅することで、自己変容を遂げていく過程」を表し、

心理学の要素を組み込んだ新しいタロット解釈として、一気に広まっていきました。

 

今回の【隠者】は

「内」へ向かう②フェーズに位置しており、

ここで「問いを持ち、内観すること」が、この先のカードの世界観を通過していく上で大切になってきます。

全体の中でのカードの位置付けを理解できると、より深く各カードの世界観や意味を掴むことができます。

また、私はよくその時の状況を「タロットでいうとどのあたりかな?」と考えるようになりました。

悩みの状況や、心が変化していく過程が細かくマッピングされていることで、羅針盤のような役割を果たしてくれています。

 

ディオゲネス

このタロットの作者アーサー・エドワード・ウェイトは、隠者について

「彼は古代ギリシャの哲学者、ディオゲネスのようだ」

と言いました。

 

ディオゲネスとは、

宗教・作法・服装・住居などすべての文明を放棄し、

世捨て人となって真理を追求した哲学者。

樽の中に住み、自らのシニカルな信念を貫いた生き様は人々を魅了し、
数多くの逸話が残されました。

あのアレキサンダー大王がディオゲネスの大ファンだったことも有名。

ギリシャ世界の支配者がディオゲネスに会いに行き、

「何か望みはあるか」と尋ねると、「私の太陽を遮らないでくれ」と答えたとか。

彼は後に「私がアレキサンダーでなかったら、ディオゲネスになりたかった」と述べたそうです。

ディオゲネスを訪れるアレキサンダー大王」ニコラ=アンドレ・モンシオ

またディオゲネスは、白昼堂々アテナイ市民の顔にランタンを当てながら

「正直者を探している」と言って歩き回っていたそうです。

社会慣習に従い、礼儀正しく立派に生きているように見えて、

蓋を開ければ中身(私見)がなく、そこにあるのはただの偽善や見せかけだけ。

慣習的なルールに縛られず、「正直に自分らしく生きること」を提唱し続けました。

 

さて、ここまで「マント」「ランプ」「ディオゲネス」をキーワードに見てきましたが、

なんとなく『隠者』のイメージが膨らみましたか?

このカードは

「当たり前」に疑問を持ち、自分の中に答えを探す。

そんな世界観でした。

『隠者』が出た時には、

「これは外に答えがない問題」という視点で考えてもいいかもしれません。

 

〈個人的感想〉実は難しい「隠者」の世界

自分の悩みに対して、外ではなく、内に答えを求めるというのは、なかなか難しいことだと思います。

スマホを持てば、すぐに様々な情報を手にいれることができるこの環境では、

何にでも用意された「正解」があり、自分の悩みもその正解を見つけさえすれば解決できるのではと思ってしまいます。

インフルエンサーの発信から「答え」を探そうとしたり、他かの誰かが答えを持っているかもと友達や周囲の人に相談したり。

 

私は、自分の中に答えを探していると、とても辛いと思うことがあります。

答えが出るとは、つまり自分が何らかの形で変化したということであり、

それは大変なことだからです。

「愚者の旅」でいうなら、隠者の問いに対する答えがでるのは【19番:太陽】で、

そこまでがいかに長い道のりか、おわかり頂けると思います。

 

悩みを抱えた状況で、すぐには答えが出ないことを問い続けるのは、過酷な修行をしているような気さえしてきます。

右でも左でもない狭間のような場所にいて、葛藤を抱え続けるには、ある種の支えが必要...

「信じられるもの」を求めて、宗教や哲学、心理学などたくさんの本を読みました。

そして最終的に私が「信じられる」と思ったのは、(ユング心理学を日本に広めた臨床家)河合隼雄先生。

そして先生こそ、答えを外でなく内に求めるサポートをするプロだったのです。

 

嫁の悩みを抱えた姑が、河合先生の元へ「なにか良い方法はありませんか?」とやってきました。

私が、「よい方法はありませんか」と言われて、「ありません」というのは、

よい方法というのは脇道なんです。

それをやらずに、この嫁と生きるとはどうゆうことか、なぜ私はこの嫁を嫌いなのか、この道をまっすぐ歩かないと善光寺には行き着かないわけです。

そのときに、だいたいみんな善光寺参りはしんどくて、脇道に行きたがるんです。

その脇道のことを、「何かよい方法はありませんか」と言われるんです。

そのときにだいたい我々は「ありません」と非常にはっきり答えるわけです。

つまり、「この道を行きなさい」ということを言うわけです。

この道というのはいちばん苦しい道です。

ただし、私も一緒に行きますからというのが、カウンセラーの仕事なんです。

(「カウンセリングを語る(下) 」河合隼雄

タロットの8番から始まる②フェーズは、「善光寺参り」なのだと思います。

いちばん苦しい道だけど、その先には宗教性にも繋がる深い何かがあるかもしれない。

わたしにとっては、河合先生の本が「善光寺参り」に欠かせない1つの支えとなりました。

内界の探求中に出会った人や本は、その後の人生でも大きな意味を持ってくる、

もしかしたらそれもギフトの1つなのかもしれないと思いました。

 

最後は個人的な感想でしたが、以上9番【THE HERMIT.】でした〜

次回はどのカードになるでしょうか?

ではまた!

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