patakoのタロット勉強ブログ

タロットを学びながらあれこれ考えたこと

【4皇帝】~エゴの王国を築く~

こんにちは。patakoです。

今日は、大アルカナ4番目のカード「皇帝」について、愛月先生の講座から学んだことや、自分であれこれ考えたことを書いていきたいと思います。

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まずは、カードの意味から!

 

意味

このカードは、王様が自分の国を治めるかのごとく、

自分で自分の人生をコントロールし、築き上げていく」という世界観です。

皇帝は自分の頭で考え、決断し、実行していきます。

また、築きあげたものを安定させ、継続させていくという守りの面もあります。

(この4番で築き上げたもの〈エゴの王国〉は、16番の「塔」によって破壊されます。)

 

ポイント

ここでのポイントは「男性性」です。

男性性とは、「どうにかしようとする、コンロトールしようとする」力のことで、

そこには法と秩序、規律や支配といった要素も含みます。

そして、自分の外側だけでなく、内側の心もコントロールします。

あくまで第一優先は、自分の感情よりも、「達成すべき目的」なのです。

一方女帝に表される「女性性」は、「ありのまま」である力です。この世界は、無秩序で自然のままの世界です。自分の本能も感情も何もコントロールされていません。

 

そして、女性性は「無条件の愛(母性愛)」、男性性は「条件付きの愛(父性愛)」とも言えます。

「無条件の愛(母性愛)」では、愛されるのは何か特定の条件を満たしているとか、期待に応えているからではありません。ありのままの自分で愛される。なにもしようがないとも言えます。ある意味とても受動的ですね。

一方「条件付きの愛(父性愛)」は、それを得るために努力することができるので、自分でコントロールすることができます。愛されるためには「資格」がいるのです。期待に応えられなければ、愛してはもらえません。

そしてこの父性愛では、「服従こそが最大の美徳で、不服従は最大の罪」になります。

 

子どもの成長には、母性愛も父性愛も共に必要になります。

まずはしっかりと「ありのままの自分を愛してもら」った上で、父性愛によって、社会で生きていく上で必要なことを教え導いてもらうのです。

そしていずれは、父の支配から抜け出し、自分の人生を生きていきます。

母親的良心は言う、「おまえがどんな過ちや罪をおかしても、私の愛はなくならないし、おまえの人生と幸福にたいする私の願いもなくならない」。

父親的良心は言う、「おまえはまちがったことをした。その責任をとらなくてはならない。何よりも、私に好かれたかったら、生き方を変えなくてはならない」。

成熟した人間は、自分の外にいる父や母から自由になっており、自分の内部に母親像・父親像をつくりあげている。

(エーリッヒ・フロム「愛するということ」)

 

■私がかつて築いたエゴの王国と、その崩壊

皇帝にまつわる私のエピソードを1つ。

私が新卒で入った会社では、人材育成にとても力を入れていました。いずれは管理職として活躍できるよう、新入社員の頃から「人の上に立ち周りを引っ張っていくリーダー」の視点を持つことを常に意識させられ、そのための大規模な研修が定期的に開かれていました。

(まさに皇帝の「リーダーシップ」力を遺憾なく発揮できる人が評価される会社です)

一方の私は、場をしきったり周囲をひっぱっていくことが苦手。それよりは、リーダーをサポートしたり、細々した実務を1人で黙々とこなす方が性に合っています。

つまり、私には向いていない会社だったのです。

では、なぜそこに入社したのか?

それは、「大企業に入ること」が当時の私にとって何よりも大切な目的だったからです。(社会的に評価される肩書きがなければ、自分には価値がないと思っていました)

そのため就活では、「有名企業から内定を取る」という目的に向けて努力しました。

情報収集をし、大学のOBに連絡を取ってESを見てもらい、面接ではどう振る舞い、受け答えすれば他の就活生よりも評価されるかを研究。(こうゆう皇帝の力の使い方は得意です。)

この時の私には、「自分に合う」会社を見つけ、「私らしく働く」という発想は全くありませんでした。

所々で「この会社は自分には向いてないかもしれない。やっていけるのか?」と思うことはあったのですが、その心の声を無視していたのです。

結果内定を得たものの、会社から求められることと素の自分とのギャップにとても苦しむことになりました。

そして入社から数年後、身も心も大きく調子を崩して適応障害になり、退社しました。

会社にいる間は、求められているように振る舞おうと努力し、それなりに評価されることもありましたが、もともとのスタートが「ありのままの私ではダメだ」だったので、どこまでいっても不安で苦しかったです。

男性性は生きていく上で必要な力ですが、それと同じくらい裏側で女性性(ありのままの自分を愛する)が働いていることがとても大切だと思います。

この裏打ちがないまま自分の王国を築いても、それはとても脆く、自分で自分の首を絞めていくような方向に進んでいってしまうのではないでしょうか。

 

最後に、生命の木との関係についても見ていきましょう。

■生命の木では

皇帝は、↓の青線部分のパスになります。

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生命の木の頂点(生命エネルギーの根源)から、「力」がだんだん狭まって降りてくるイメージです。

パスにはそれぞれヘブライ語も当てはめられています。

1番<魔術師>→ベス(家)

3番<女帝>→ダレス(扉)

4番<皇帝>→へー(扉)

とくにこの3つのパスは開閉を表す言葉で、まるで太陽の光が私たちに必要な分だけ、あるゆる箇所を通して部屋の中に入ってくるようですよね。

また皇帝のパス「へー」には、牡羊座も当てはめれています。牡羊座の支配惑星は「火星」。

火星は、伝統的占星術では「熱くて乾いている砂漠」のイメージ。砂漠地帯で生きていくには、サバイバル力が必要です。闘い、自分で生きる道を切り開いていく、皇帝のイメージにも重なりますね。

(反対に女帝のパスには金星が当てはめられています。金星は暖かくて湿っている、豊かな土地のイメージです。ここでは文化が生まれ、楽しんで暮らすことができます。)

 

以上、4番皇帝についてでした。

次回は5番教皇について書いていきます☆

ではまた!