patakoのタロット勉強ブログ

タロットを学びながらあれこれ考えたこと

【7戦車】~エゴの勝利~

こんにちは。patakoです。

今日は、大アルカナ7番目のカード【戦車】について、愛月先生の講座から学んだことや、自分であれこれ考えたことを書いていきたいと思います。

まずは、このカードの世界観から見ていきましょう。

【戦車】の世界観

■このカードには、凱旋する英雄の姿が描かれいます。

「凱旋」とは、自分の領土の外に戦いに行って、勝利を収め戻ってくることです。

「今ここにはないもの」が欲しいので、危険を冒してまで外の世界に取りにいくのです。

彼が「英雄」と言われる所以は、みんなが尻込みするような恐いことをしたから。

危険な賭けである勝負の場へと勇敢に出向いていき、勝つか負けるかの戦いを果たしたから英雄なのです。

『結果ではなく、やってみるという行為・挑戦にこそ、ヒーローの本質がある』んですね。

 

■ここでの「欲しいもの」とは、「社会」の中で欲しいものです。

例えば、仕事で成功したい・SNSで人気者になりたい・結婚したい、などこれを手に入れれば周りから賞賛されたり、認められたりするもの。

「社会的な成功」と言われるものです。

「なぜそれがほしいのか」と言えば、「自分の弱い部分をカバーする」ためだったり、「自分の中にある欠落を埋めてくれる」からなのですが、そういった自己の内面と向き合っていくのは8番以降になります。

なのでこの7番では、自分の内面(弱さ)はなかったことにして、

ただ「外面の勝利」を獲得しにいく、という世界観になります。

「外面の勝利」はあまり良い響きではありませんが、現実世界で努力し、挑戦し、エゴを満たすことができたからこそ、8番から始まる内面世界への探求に入っていけるのです。

 

■2頭のスフィンクス

戦車を引いているのは、馬ではなく、スフィンクスです。

実はこれ、ギリシャ悲劇の「オイディプス王」に出てくるスフィンクスで、

この物語が7番【戦車】の「外側の勝利」というテーマにぴったりなのです。

オイディプスは「父を殺し、母と交わる」という予言を受け、その恐ろしい予言を成就させないよう旅に出ます。

旅の途中である老人を殺すのですが、それは実の父親でした。

(彼は自分の出生の秘密を知りません)

まさか予言が叶いつつあることを知らないオイディプスは、テーバイという都の前でスフィンクスと出会います。

このスフィンクスは、通りかかる人になぞなぞを出し、答えられなければ食べてしまう、人喰いスフィンクス

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オイディプススフィンクスギュスターヴ・モロー

(余談ですが、オイディプス王に出てくる人喰いスフィンクスが「乙女の顔と乳房を持っている」ことに驚き😳ギリシャ神話版は、よく見かけるエジプトのスフィンクスと種類が違うらしいです)

スフィンクスオイディプスになぞなぞを出します。

「朝は4本足、昼は2本足、夕暮れには3本足で歩むものは、なんだ?」

オイディプスは答えます

「それは人間(人の一生)だ!」

(朝→ハイハイ、昼→2本足、夜→足+杖)

初めて謎を解かれたスフィンクスは、自ら海に身を投げ死んでしまいます。

スフィンクスに困っていたテーバイの人たちはオイディプスを王として迎え入れ、彼は実は自分の母である王妃と結婚しました。

後に、自分が意図せず「父を殺し、母と交わった」ことを知ったオイディプスは、ブローチで両目を突き盲目となって、放浪の旅に出ます。

 

スフィンクスの出す謎に「それは人の一生だ」と答え、あたかも人生をわかった気でいた彼ですが、己のダークサイドは何も知らない上での「表面的な勝利」に過ぎなかったのです。

7番【戦車】の勝利も、あくまで「外側(社会に向けた)勝利」であって、人生の謎には答えられません。

オイディプスは盲目となり「内に目を向ける」ことで、真の意味で己の人生と向き合っていくのではないでしょうか。

 

以上の世界観を踏まえて、このカードが出た時のリーディングのポイントについてみていきましょう。

リーディングのポイント

このカードが出た時は、【戦車】の世界観を通してお悩みを見ていきます。

私たちは自分の無自覚なものの見方で現実を見ており、その状態で留まってしまっているからこそ、悩みになっていると言えます。

そこで、別のフィルターを通して問題を見ることで、「自分のこだわり」・「偏った考え方」・「盲点」などに気が付くことができ、悩みだったものが違う次元で展開していきます。そこでは「新たな可能性」が生まれたり、自分を縛ってきた囚われから解放されるヒントを得れるかもしれません。

 
ポイント1)あなたが「凱旋する英雄」であったらどうか?

そのお悩みにおいて、あなたが「凱旋する英雄」であったらどうでしょうか?

・自分のほしいものは今ここにはないので、安全地帯から出て領土の外へ戦いに行くのです。

・そこまでの危険を冒すので、「自分は何が欲しいのか」目的がはっきりしています。

・また、一か八かのときに勝負に出れるかということが問われているかもしれません。

 

ポイント2)今は「外面の勝利」を得る時なのか?

この戦車が得ようとしているのは「外面の勝利」です。

自分の弱さや欠けたものを埋めるため、外側に向かって努力するような世界観です。

お悩みにおいて、もしこれまで戦車のような関わり方をしてきたのなら、「自分の内面に目を向ける」ことでそのお悩みは違ったものに変化するかもしれません。

例えば、「頑張って婚活しているが中々結婚できない。どうすればいいか?」というお悩みに戦車がでたとします。

そしてその方の結婚したい理由が「周りの友達はみんなしているし、親にも早く結婚しなさいと言われている、それに1人だと不安だから」だったとします。

この方は「結婚」という目的のため、領土の外に戦いに行っているのです。

ここで「結婚」を「外側の勝利」と考えるとどうでしょうか。

この方にとって「自分の内面と向き合う」とは、

・友達や親は「結婚した方がいい」と言うけど、私にとって「結婚」ってなんだろう?

・どうして「結婚しないと周りから認められない」と思うんだろう?

・結婚することで、自分の何を埋めようとしようとしているんだろう?

などと考えることだと思います。

そうすることで、例えば

・実は「1人でいることにそこまで不満はなかった」

・自分は「結婚がしたい」のではなく、「ただ誰かに愛されたかった」だけ

などの気付きがあると、結果的に「どうすれば婚活がうまく行くか」というお悩みは悩みでなくなり、話が違う次元で展開していくのです。

 

【戦車】が苦手な私

上記では【戦車】の世界観とリーディングのポイントについて見てきました。

ここからは、このカードについての個人的な感想です。

【戦車】の世界観は、私の苦手なことだな〜と思いながら講義を聞いていました。

先生は「安全第一の人は、このカード苦手かもしれない」と仰っていましたが、まさにそうです。

私が思い浮かんだのは、現実的なリスクを取るというよりは、精神的な「心の安全地帯から出ていく」挑戦です。

実は、高校生以降友達と喧嘩したことがないのです。

中学3年生の時に、小学校時代からの親友と喧嘩になり、そのままケンカ別れしたことがありました。

学校でも一切口を聞かず、お互いを避けたまま卒業を迎えました。

それ以来、相手の意見に反対したり、自分の正直な気持ちを話すことが怖くなりました。少しでも関係が悪化するのが怖いのです。

大学の時、ある友達に「Patakoの〇〇なところは良くないと思う」と言われたことがありました。それはありがたい指摘でしたが、私の方にも言い分がありました。

ですがその時は「ごめん、気を付ける」としか言えず....。

あの時、自分の思っていることを正直に話したら、もしかしたらより良い関係が築けたかもしれない、例え気まずくなったとしても、自分の中にわだかまりとして残ることはなかったのかもしれない、と思い出すたびに後悔しています。

今の職場では、同じバイト仲間と雑談していても、当たり障りのないことしか言えず...

正直な反応をしている人を、羨望の眼差しで見つめたりしています(笑)

なので私にとっては、「例え相手と意見が違ったとしても、自分の正直な考えを伝える」ことが英雄の行為なのかもしれません。

 

よくよく考えると、相手のことを「意見の違いを受け入れない人」と無意識に思っているわけで、失礼な話ですよね😅

意見が違うからこそ面白い!と思う人もたくさんいるだろうに...🤔

きっとそれは、私自身が自分の考えを肯定されないと、「自分を否定された」と思いこんで、傷ついてしまうからなんだと思います。

自分が違う意見を言われるのが怖いから、きっと相手もそう思うだろうと考えているんでしょうね....

次に自分の考えを言う機会があった時は、心の安全地帯から一歩踏み出して、正直に発言できたらいいなと思います。その挑戦をしたこと自体が、何よりも自信になりそうなので☺️

 

最後は関係ない話に脱線しましたが、

以上が、7番【戦車】についてでした。

次回は8番【力】について書いていきます☆

ではまた!